東山堂の急須
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東山堂の急須は、各産地の土を使って、手仕事で作られたものです。土の風合いが感じられる、温かみのある急須です。
東山堂では形状やデザインを大まかに考え、作家さんや職人さんと相談しながら、作ってもらっています。東山堂が出すコンセプトと、作家さんのオリジナリティを混ぜる感じです。いつも出来上がるまで、どんな急須が出来るのか、ドキドキしながら待っています。
(一部、すでにある商品も仕入れるので、すべてがオリジナル急須ではありません。東山堂のオリジナルは、森一朗さん、細川敬弘さん、柴田窯さんの急須です。)
特に時間をかけて相談するのが、注ぎ口、蓋、把手などの形状です。中でも蓋は難しい部分です。蓋と身がきちんと合い、隙間からお茶がなるべく漏れないようするのは、かなり難しいです。
東山堂を始めて分かったことですが、備前や伊賀など粗めの土は、成形が難しく、本来は急須作り向きではありません。粗い土というのは、どうしても表面に凹凸があるので、蓋を密閉するのが大変です。
そのため、急須の多くは、細かい泥土がある常滑や、磁器の産地である有田や多治見で作られて来ました。
東山堂の場合、なぜ粗い土でも急須が出来たかと言うと、それは作家さんたちの成形技術が高いからです。成形が上手な作家さんたちに巡り合えたことは、幸運だと思います。
粗い土というのは成形が難しい代わりに、とても趣があり、土の風合いが感じられる急須が出来上がります。土と炎から生まれた、大地の器です。お茶も自然から生まれるものなので、土の雰囲気がある急須と相性が良いです。
現在は、備前焼、京焼、常滑焼を取り扱っていますが、今後は鍋島焼、唐津焼、有田焼などの急須も取り扱いたいと考えています。