京焼 鉚黒彩後手急須 140ml
京焼 鉚黒彩後手急須 140ml
京焼作家・中村譲司さんの鉚黒彩(りゅうこくさい)急須です。金属が錆びたような質感の黒い釉薬に含まれる、銅などの鉱物が黄金色に輝きます。ゴシック建築の教会のような、立体的な造形が魅力的な茶器です。
作り手の中村さんは、建物からインスピレーションを受け、茶器を制作します。中村さんの造形・色彩感覚では、器と建築物は近い関係、あるいは相互に補完する関係なのだと思います。
住環境は時代ごとに変化します。中村さんは、器を作る時、その器が現代の住環境に馴染むのか、想像するそうです。木やガラスなどの異素材の家具と良く調和する茶器です。
(中村 譲司氏 略歴)
1981年 大阪府生まれ
2003年 京都精華大学芸術学部造形学科陶芸専攻卒業
河島浩三氏、河島喜信氏に師事
2012年 G-studio設立
個展:
2006年 中村譲司展 (高島屋京都店美術工芸サロン)
2008年 中村譲司展 (法然院講堂 京都)
2013年 中村譲司展 (NANOOM GALLERY 韓国)
2014年 中村譲司陶藝展 (DecoPlay 台湾)
2017年 中村譲司 George Nakamura Pottery Exhibition (MaKaRi New York)
2018年 中村譲司陶展 (ANYI Gallery 上海)
公募展:
2005年 第7回国際陶磁器展美濃 (岐阜) 入選
2007年 第45回朝日陶芸展 (名古屋) 入選
神戸ビエンナーレ現代陶芸コンペティション(兵庫) 入選
2010年 Onggi Expo Ulsan exhibition (Onggi 韓国) 入選
2011年 第44回青窯会作陶展 (京都) 銀賞
長三賞常滑陶芸展 (名古屋) 入選
2012年 第45回青窯会作陶展 (京都) 京都府知事賞
第24回工芸美術創工会展 (京都) 京都府知事賞
2013年 京展 (京都) 京展賞
黒い釉薬はマンガン釉と呼ばれる、鉄や銅を含む釉薬です。焼成中に釉薬が薄くなった箇所で、銅などの成分が輝きます。釉薬の表面は錆びた金属のような手ざわりで、茶道における、侘び寂びの感覚に通じるものがあります。
急須の造形は非常に立体的で、建築物のように線や角が多いことが特徴です。一般的に急須には曲線が用いられることが多いのに対し、この急須は多角的で、釉薬の変化も相俟って、角度ごとに異なる表情を見る楽しみがあります。
デザイン性が高いだけに留まらず、使い心地が良い急須です。蓋の気密性が高く、注水は滑らかです。把手の角度が計算されていて、安定してお茶を注げます。一見冷たいように見えるかも知れませんが、実は使う人にとても親切な茶器だと気付きます。
この急須は、磁器と陶器の土を混ぜて作った半磁器です。両方の土を混ぜることで、陶器特有の温かみと、磁器の頑丈さを両立しています。内側にも釉薬が掛けられているので、茶葉の香りを吸収しづらいです。
縦長形状の急須は、香りに特徴があるお茶に向いています。中国茶では鳳凰単欉茶、鉄観音茶や雲南紅茶、台湾茶では高山烏龍茶や東方美人茶を淹れるのに、おすすめの茶器です。
京焼は他の地域の技法を取り入れながら、進化し続けて来た陶磁器です。中村さんは、京焼の粘土や釉薬などの原料を使いつつ、急須制作の道具を中国宜興から取り入れたり、建築物からインスピレーションを得たり、多くの要素を取り入れながら、新しい作品を作ります。中村さんの作品は、京焼の革新の精神につながっていると感じます。
焼成: 電気窯
種類: 半磁器 (磁器と陶器の土を混ぜた陶磁器)
サイズ: 全長11.5cm(把手・口含む)、胴径7cm、高さ7.5cm
容量: 満水140ml 実用100ml
重さ: 約135g
梱包: 紙箱
備考: 手作りなので、一点ごとにわずかに違いがあります。
急須の胴体と蓋は、ほとんど隙間なく合うように作られています。蓋は滑らかに回転します。お茶をとても滑らかに注げます。
<京焼>
京焼は、京都市で作られる陶磁器です。江戸時代(西暦1800年頃)以降、茶道の流行を背景に、抹茶・煎茶向けの茶器が多く作られました。京都の高い文化を背景に、寺社仏閣、公家、商人の後援を得て発展しました。
染付、赤絵、金彩など鮮やか色絵や、細かい細工の陶磁器を得意とします。様々な技法、様式を取り込んだ、美意識、造形技術の高い陶磁器です。
低在庫:残り2個
詳細を表示するよくある質問
急須はどのお茶に使えますか?
どの種類のお茶にもお使いいただけます。ただし、釉薬が掛かっていない陶器は、茶葉の風味を吸収しやすいです。お茶の系統ごとに茶器を使い分けていただくと、お茶の風味を堪能できます。
例えば日本茶の場合、煎茶、深蒸し茶、玄米茶、玉露は同じ系統ですが、ほうじ茶は焙煎の香りが濃いため、別の茶器を使うことをおすすめします。
ただし、釉薬が掛けられた陶器あるいは磁器の茶器は、茶葉の風味を吸収しないため、様々な種類のお茶を淹れるのに適しています。
急須はどのように洗いますか?
急須は洗剤を使用せず、水洗いしてください。陶器の急須は洗剤成分を吸収しやすく、洗剤はお茶の風味に影響を与えることがあります。
急須に残った茶葉は、茶渋の最大の原因となります。お茶を淹れた後は、茶葉が冷めた時点で茶葉を取り出し、水洗いすることをおすすめします。
急須に残った水分はカビの原因となります。急須を裏返して乾かすと、乾燥が早くなります。
食洗器で洗浄することはおすすめできません。手洗いでお願いします。
急須の茶渋は取れますか?
茶渋を取る方法は次の通りです。
1. ボウルまたは鍋に、重曹24gを30~40℃の水1リットルと混ぜます。
※アルミ鍋やテフロン加工の鍋は、重曹と反応しますので、使用しないでください。
2. 急須を上記1の水の中に30〜60分間放置します。
3. 茶渋を柔らかいスポンジや綿棒で拭き取ります。硬いスポンジやブラシは使用しないでください。
4. 急須を水洗いします。
5. 急須をしっかり乾燥させます。
※重曹水は手が荒れる可能性があるので、ゴム手袋を使用ください。
返品はできますか?
荷物到着時に商品が破損している場合を除き、返品はお断りしています。
茶器は一点ずつ僅かに異なり、若干の歪みや擦れがある場合もございます。オンラインショップ掲載の画像を事前にご確認いただくようお願いします。
もし商品の詳しい状態についてご質問がある場合は、お気軽にお問合せください。商品の追加画像や動画を送ることができます。
海外発送していますか?
下記の国へ発送することが出来ます。
中国、香港、マカオ、台湾、韓国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン
商品は骨董品や中古品ですか?
当店の商品は全て新品です。日本国内の陶芸家や窯元が生産したものを販売します。