常滑焼 朱嵐絞り急須ギフトパッケージ
常滑焼 朱嵐絞り急須ギフトパッケージ
甚秋陶苑(じんしゅうとうえん)の朱泥急須です。五角形の形状と、細かい凹凸のある表面の質感が特徴です。中国茶や台湾茶を淹れるのに、ちょうど良い容量です。越前塗の漆器と風呂敷を組み合わせた贈答用のパッケージです。
表面に凹凸を生み出す「嵐絞り」と呼ばれる技法は、甚秋陶苑の伊藤成二さんのオリジナルです。常滑の土の質感を生かした、日本の風土と伝統を感じられる急須です。伊藤さんは国内だけでなく、中国や台湾でも評価が高い、急須作りにおける現代の名工です。
(伊藤成二氏 略歴)
1949年愛知県常滑市に生まれる
1970年作陶活動を始める
経済産業省認定 伝統工芸士 (常滑焼 総合部門)
伝統工芸品産業功労者 経済産業大臣表彰
宮内庁 御用達
長三賞陶業展 長三賞受賞 10回
第34回萬古陶磁器コンペ2020 優秀賞受賞
中国・宜興第一回世界壺芸大賞 銀賞受賞 (*急須の品評会)
第6回台湾国際金壺陶芸展 評審推選奨受賞 (*急須の品評会)
他にも受賞多数
常滑の朱泥は、鉄分を多く含みます。常滑の朱泥を調査した論文(鉱物学雑誌1961年3月、名古屋工業大学 杉村隆氏)によると、常滑朱泥の鉄分含有量は約5~6%です。
その鉄分がお茶の渋味成分である、タンニンと結びつきます。そのため、常滑の朱泥急須で淹れたお茶は渋味が少ない、滑らかな味のお茶になります。
香港で常滑焼急須を使った、試飲会をしたことがあります。参加者の方達からは岩茶や普洱熟茶などの中国茶を飲むと、味の違いが分かりやすいという感想を聴きました。味をどう感じるかは人によって違うので、一概には断定できませんが、確かに滑らかな味になると感じます。
伊藤さんが作る急須は、使いやすさを極めた茶道具です。注水の流れは滑らかで、湯切れがとても良いです。蓋と胴体の接地面を丁寧に研磨し、蓋は胴体に隙間なく収まります。把手の角度や、全体の重量バランスなど、使いやすいように細部までデザインされています。
急須の内側の茶こしも、常滑の同じ土で作られています。手作業で作る網状の茶こしは、常滑焼の伝統的な技術です。精緻なものづくりと、大胆なデザインが共存する素晴らしい急須です。
急須を収める箱として、四代続く越前漆器の老舗である大音師漆器店へ、漆塗箱を特注しました。本漆を使い、越前漆器の伝統的な工程で作られた漆器です。1つずつ手作業で作るため、完成までに3か月かかります。
漆塗箱の表面は漆特有の柔らかい厚みと、控えめな艶があります。漆塗箱は急須を保管するだけでなく、工芸品として美しく、部屋を装飾するインテリアにもなります。伝統的な意匠を用いた風呂敷で包むことにより、さらに日本らしく、文化的な装いになります。
<急須> 愛知県産
作り手: 甚秋陶苑 (常滑焼)
焼成: 電気炉
サイズ: 全長12cm(把手・口含む)、胴(最長)8cm、高さ8.5cm
容量: 180ml
重さ: 約130g
備考: 愛知県で手作りしています。手作りなので、一点ずつわずかに違いがあります。
蓋と胴体間の密閉性は良好です。水を注ぐ様子は、下記youtube動画で確認いただけます。
<漆塗箱>
作り手: 大音師漆器店 (越前漆器)
サイズ: 縦10.8cm 横10.8cm 高さ11.5cm
重さ: 230~260g
材料: 蓋 シナ合板 / 身 ヒバ材 / 塗料 天然漆
備考: 福井県で手作りしています。外側底面のみ黒塗で、他の面は全て朱塗です。
<風呂敷>
作り手:宮井株式会社
素材: 綿100%
重さ: 約50g
備考: 京都府で製造しています。風呂敷の色は、グリーンかブラウンを選んでいただけます。
*常滑焼
常滑焼は、愛知県常滑市で作られる陶器です。中世における、日本最大の窯業産地であり、皿、碗、鉢などの日用品以外にも、甕や壺などの大型陶器も多く作られました。
江戸時代末期(西暦1858年頃)から、朱泥茶器や酒器も作られました。昭和中期(西暦1962年)以降、朱泥向け電気炉の技術が確立されました。常滑の朱泥急須は、約1100℃で焼成されます。常滑朱泥は1200~1300℃の高温になる薪窯より、やや低温の電気炉と相性が良い土です。
数百万年前、東海湖と呼ばれる湖の底にあった常滑地方には、朱泥、黒泥など急須向きの粒子が細かい土があります。常滑には高い成形技術や、「擦り合わせ」と呼ばれる急須の蓋と胴体を隙間なく合わせる技術など、急須作りに必要な技術が集積しています。日本最大の急須生産地です。
*越前漆器
越前漆器の起源は、約1500年前にさかのぼります。日本の第26代天皇であった継体天皇が天皇に即位する前、冠の修理を、越前の塗師(漆塗の職人)に命じました。塗師は冠を漆で修理するとともに、漆塗の椀を献上しました。そして漆器の生産を奨励され、現在の福井県鯖江市の片山集落で、漆器づくりが始められました。
越前には多くの漆の木があり、最盛期には全国の漆の半分を生産したと言われています。栃木県にある日光東照宮造営の際、徳川幕府は越前の漆かき職人へ、漆の採集を命じたそうです。
室町時代以降は、漆塗の椀が仏事で盛んに使われるようになりました。江戸末期には、京都から蒔絵師を招き、蒔絵の技術を導入しました。能登の輪島からは、沈金の技法を取り入れ、越前漆器は堅牢さに加え、装飾性も併せ持つようになりました。
明治時代の半ば以降、角物と呼ばれる膳や重箱も作られるようになりました。ざるそばに使われる四角い器や、寿司下駄も角物です。ちなみに椀は丸物と呼ばれます。四角い形状は漆塗の工程数が丸物に比べ多く、角に漆がたまりやすいやめ、漆表面を平滑に美しく仕上げることが難しいです。大音師漆器店は、四代続く角物専門の工房です。
低在庫:残り1個
詳細を表示するよくある質問
急須はどのお茶に使えますか?
どの種類のお茶にもお使いいただけます。ただし、釉薬が掛かっていない陶器は、茶葉の風味を吸収しやすいです。お茶の系統ごとに茶器を使い分けていただくと、お茶の風味を堪能できます。
例えば日本茶の場合、煎茶、深蒸し茶、玄米茶、玉露は同じ系統ですが、ほうじ茶は焙煎の香りが濃いため、別の茶器を使うことをおすすめします。
ただし、釉薬が掛けられた陶器あるいは磁器の茶器は、茶葉の風味を吸収しないため、様々な種類のお茶を淹れるのに適しています。
急須はどのように洗いますか?
急須は洗剤を使用せず、水洗いしてください。陶器の急須は洗剤成分を吸収しやすく、洗剤はお茶の風味に影響を与えることがあります。
急須に残った茶葉は、茶渋の最大の原因となります。お茶を淹れた後は、茶葉が冷めた時点で茶葉を取り出し、水洗いすることをおすすめします。
急須に残った水分はカビの原因となります。急須を裏返して乾かすと、乾燥が早くなります。
食洗器で洗浄することはおすすめできません。手洗いでお願いします。
急須の茶渋は取れますか?
茶渋を取る方法は次の通りです。
1. ボウルまたは鍋に、重曹24gを30~40℃の水1リットルと混ぜます。
※アルミ鍋やテフロン加工の鍋は、重曹と反応しますので、使用しないでください。
2. 急須を上記1の水の中に30〜60分間放置します。
3. 茶渋を柔らかいスポンジや綿棒で拭き取ります。硬いスポンジやブラシは使用しないでください。
4. 急須を水洗いします。
5. 急須をしっかり乾燥させます。
※重曹水は手が荒れる可能性があるので、ゴム手袋を使用ください。
返品はできますか?
荷物到着時に商品が破損している場合を除き、返品はお断りしています。
茶器は一点ずつ僅かに異なり、若干の歪みや擦れがある場合もございます。オンラインショップ掲載の画像を事前にご確認いただくようお願いします。
もし商品の詳しい状態についてご質問がある場合は、お気軽にお問合せください。商品の追加画像や動画を送ることができます。
海外発送していますか?
下記の国へ発送することが出来ます。
中国、香港、マカオ、台湾、韓国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン
商品は骨董品や中古品ですか?
当店の商品は全て新品です。日本国内の陶芸家や窯元が生産したものを販売します。