備前焼 火襷急須ギフトパッケージ
備前焼 火襷急須ギフトパッケージ
細川敬弘さんの火襷(ひだすき)急須です。中国式の後手形状を、備前の土で作った急須です。中国茶や台湾茶を淹れるのに、ちょうど良い容量です。越前塗の漆器と風呂敷を組み合わせた贈答用のパッケージです。
細川さんは、備前の大地を表現する、自然の土の質感を生かした作品を得意とします。従来の備前焼の表現に囚われない、力強く、躍動的な作風です。
蓋や注ぎ口などの細部の造形は、非常に丁寧です。土の配合パターンは数十種もあり、備前の土を探究し続けています。中国北京の個展は、毎回作品が完売するほど、中国本土で知名度が上がりつつある注目の作家です。
(細川敬弘氏 略歴)
1979年岡山県に生まれる。
1999年備前陶芸センター卒業。祖父竹村永楽の下で作陶を学ぶ。
2015年東京アメリカンクラブ フレデリック・ハリス・ギャラリー
2016年北京鈴木商店にて個展 (以後、17年、19年)
2019年田部美術館 茶の湯造形展 入選
備前焼は土と炎で表現する陶器です。備前焼において、土作りが作業の半分以上を占めると言われるほど、土作りは大事な作業です。
備前には様々な色や性質の土があり、作家は自らの作品に合う土を探究します。備前の土は粒子が粗く、急須のような複雑な造形が難しいです。そのため、備前焼の茶器には、抹茶碗や蓋碗、泡瓶が多く、急須は大変少ないです。
備前の土は、鉄分を含んでいます。備前焼の窯変に関する調査(第3回『岡山学』シンポジウム、岡山理科大学・山口一裕氏)によると、備前粘土の鉄分量はおよそ2~3%です。
その鉄分がお茶の渋味成分である、タンニンと結びつきます。そのため、備前の土で作られた急須で淹れたお茶は、渋味が少ない、滑らかな味のお茶になります。
香港で備前焼急須を使った、試飲会をしたことがあります。普洱熟茶を淹れると、特にお茶の味を滑らかに感じると、試飲会では盛り上がりました。味をどう感じるかは人によって違うので、一概には断定できませんが、確かに滑らかな味になると感じます。
常滑の朱泥急須より、備前急須の方がよりお茶の味を滑らかにすると感じます。常滑朱泥の鉄分量が約5~6%に対し、備前粘土の鉄分量は約2~3%なので、鉄分量だけを見ると、常滑朱泥の方がタンニンと多く結合しやすいはずです。
備前焼急須で淹れるお茶の方が滑らかな味に感じるのは、備前の粘土は粒子が大きく、焼成後も土の中に空隙があるため、より多くの渋味を吸収しているからだと考えられます。つまりお茶の味に影響を与えるのは、土の粒子の大きさと鉄分量なのだと考えます。備前の土は粒子が大きい分、効果も大きいようです。
備前焼では器に絵柄を描かず、窯の内部で変化する炎の流れや、技法によって模様が生み出されます。窯の中の入口付近や、高い場所、角に近い場所など、置かれる場所によって器への炎の当たり方は変わります。炎という自然に任せて作られ、1つとして同じ器は生まれません。
火襷は赤茶色の模様が特徴的な、備前焼の伝統技法です。器に稲藁を巻き付け、焼成することで、赤茶色の生き生きとした模様を生み出します。稲藁の持つアルカリ成分が、焼成中に土の鉄分と反応し、模様になります。
陶磁器は自然の産物であると感じられる、温かみのある土の風合いが特徴です。火襷の模様は、炎の力を表現しているようです。備前焼では、土と炎という自然を感じられます。伝統的な中国式急須を、備前の土で表現した、中国茶文化と備前の土が融合した急須です。
急須を収める箱として、四代続く越前漆器の老舗である大音師漆器店へ、漆塗箱を特注しました。本漆を使い、越前漆器の伝統的な工程で作られた漆器です。1つずつ手作業で作るため、完成までに4か月かかります。
漆塗箱の表面は漆特有の柔らかい厚みと、控えめな艶があります。漆塗箱は急須を保管するだけでなく、工芸品として美しく、部屋を装飾するインテリアにもなります。伝統的な意匠を用いた風呂敷で包むことにより、さらに日本らしく、文化的な装いになります。
作り手: 細川 敬弘 (備前焼)
陶 細川敬弘(@hosokawa___takahiro) • Instagram写真と動画
焼成: 薪窯
サイズ: 全長11cm(把手・口含む)、胴径7cm、高さ8cm
容量: 130ml
重さ: 約150g
備考: 手作りなので、一点ごとにわずかに違いがあります。
土の粒子が粗いため、蓋上部の穴を押さえても、お湯は止まりづらいです。注水時は急須を垂直まで傾けず、ゆっくりと注いでいただくと滑らかに注水できます。水を注ぐ様子は、下記youtube動画で確認いただけます。
<漆塗箱>
作り手: 大音師漆器店 (越前漆器)
サイズ: 縦10.8cm 横10.8cm 高さ11.5cm
重さ: 230~260g
材料: 蓋 シナ合板 / 身 ヒバ材 / 塗料 天然漆
備考: 福井県で手作りしています。外側底面のみ黒塗で、他の面は全て朱塗です。
<風呂敷>
作り手:宮井株式会社
素材: 綿100%
重さ: 約50g
備考: 京都府で製造しています。風呂敷の色は、グリーンかブラウンを選んでいただけます。
*備前焼
備前焼は、岡山県備前市で作られる陶器です。800年程前の平安時代の終わり頃、備前焼の生産は始まりました。備前焼は1200~1300℃の高温で焼成され、頑丈なため、当初は壺や甕が多く作られました。備前焼は独特の土の風合いが茶人に好まれ、室町時代(西暦1338年~)以降、茶道向けの陶器が多く作られるようになりました。
備前焼の特徴は、土に釉薬を掛けず、そのまま焼き締めること、そして土の味わいを活かした模様の美しさです。備前焼は主に薪窯で焼成します。燃料は主に松の木で、約2週間かけて陶器を焼成します。
陶土は主に水田から採られる田土と、山から採られる山土があります。鉄分に富む陶土で備前焼特有の美しい模様が生まれ、土の配合具合で作家ごとの土味が生まれます。
備前焼は水に濡れると、色が明るくなり、長く使い込むことで色味に変化が生じます。その変化が大きな見所ですので、器を使いながら育てる楽しみがあります。
*越前漆器
越前漆器の起源は、約1500年前にさかのぼります。日本の第26代天皇であった継体天皇が天皇に即位する前、冠の修理を、越前の塗師(漆塗の職人)に命じました。塗師は冠を漆で修理するとともに、漆塗の椀を献上しました。そして漆器の生産を奨励され、現在の福井県鯖江市の片山集落で、漆器づくりが始められました。
越前には多くの漆の木があり、最盛期には全国の漆の半分を生産したと言われています。栃木県にある日光東照宮造営の際、徳川幕府は越前の漆かき職人へ、漆の採集を命じたそうです。
室町時代以降は、漆塗の椀が仏事で盛んに使われるようになりました。江戸末期には、京都から蒔絵師を招き、蒔絵の技術を導入しました。能登の輪島からは、沈金の技法を取り入れ、越前漆器は堅牢さに加え、装飾性も併せ持つようになりました。
明治時代の半ば以降、角物と呼ばれる膳や重箱も作られるようになりました。ざるそばに使われる四角い器や、寿司下駄も角物です。ちなみに椀は丸物と呼ばれます。四角い形状は漆塗の工程数が丸物に比べ多く、角に漆がたまりやすいやめ、漆表面を平滑に美しく仕上げることが難しいです。大音師漆器店は、四代続く角物専門の工房です。
低在庫:残り1個
詳細を表示するよくある質問
急須はどのお茶に使えますか?
どの種類のお茶にもお使いいただけます。ただし、釉薬が掛かっていない陶器は、茶葉の風味を吸収しやすいです。お茶の系統ごとに茶器を使い分けていただくと、お茶の風味を堪能できます。
例えば日本茶の場合、煎茶、深蒸し茶、玄米茶、玉露は同じ系統ですが、ほうじ茶は焙煎の香りが濃いため、別の茶器を使うことをおすすめします。
ただし、釉薬が掛けられた陶器あるいは磁器の茶器は、茶葉の風味を吸収しないため、様々な種類のお茶を淹れるのに適しています。
急須はどのように洗いますか?
急須は洗剤を使用せず、水洗いしてください。陶器の急須は洗剤成分を吸収しやすく、洗剤はお茶の風味に影響を与えることがあります。
急須に残った茶葉は、茶渋の最大の原因となります。お茶を淹れた後は、茶葉が冷めた時点で茶葉を取り出し、水洗いすることをおすすめします。
急須に残った水分はカビの原因となります。急須を裏返して乾かすと、乾燥が早くなります。
食洗器で洗浄することはおすすめできません。手洗いでお願いします。
急須の茶渋は取れますか?
茶渋を取る方法は次の通りです。
1. ボウルまたは鍋に、重曹24gを30~40℃の水1リットルと混ぜます。
※アルミ鍋やテフロン加工の鍋は、重曹と反応しますので、使用しないでください。
2. 急須を上記1の水の中に30〜60分間放置します。
3. 茶渋を柔らかいスポンジや綿棒で拭き取ります。硬いスポンジやブラシは使用しないでください。
4. 急須を水洗いします。
5. 急須をしっかり乾燥させます。
※重曹水は手が荒れる可能性があるので、ゴム手袋を使用ください。
返品はできますか?
荷物到着時に商品が破損している場合を除き、返品はお断りしています。
茶器は一点ずつ僅かに異なり、若干の歪みや擦れがある場合もございます。オンラインショップ掲載の画像を事前にご確認いただくようお願いします。
もし商品の詳しい状態についてご質問がある場合は、お気軽にお問合せください。商品の追加画像や動画を送ることができます。
海外発送していますか?
下記の国へ発送することが出来ます。
中国、香港、マカオ、台湾、韓国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン
商品は骨董品や中古品ですか?
当店の商品は全て新品です。日本国内の陶芸家や窯元が生産したものを販売します。