日本の陶磁器産地について

茶器専門店東山堂では、日本の陶磁器産地の伝統技術や原料を生かした茶器を販売します。各産地の特徴を知ることで、茶器を選びやすくなります。

備前焼

場所:岡山県伊部市

分類:陶器

土質:粗い

釉薬:釉薬なし

焼成:主に薪窯

特徴:

備前焼の特徴は、土の味わいと炎による美しい模様です。備前焼は粘土を準備することから始まります。陶芸作家自身が山や水田へ粘土を掘りに行き、それを数か月寝かせ、水に晒す、混ぜ合わせるなど全て手作業で行います。備前焼では、土作りが仕事の大半を占める、と言われるほど土作りが大事です。

備前器は主に薪窯で焼成されます。窯の中で炎がどう動くかは予想できず、炎の自然な動きが作品の模様に影響します。土と炎という自然によって生み出される陶器は唯一無二です。焼成ごとに質感、模様が違うため、同じものは二度とできません。

備前焼は茶道と繋がりが深く、茶陶が盛んな産地です。備前の粘土は粒子が粗く、急須のような複雑な形を茶器を作るには、高い成形技術と繊細な感覚が必要です。

 

常滑焼

場所:愛知県常滑市

分類:陶器

土質:細かい

釉薬:無釉が多い。一部、釉薬あり

焼成:電気窯

特徴:

常滑焼の特徴は、使い勝手の良さと、様々な技法による独創的なデザインです。常滑は日本最大の急須生産地です。常滑では江戸時代末期(西暦1858年頃)から、朱泥茶器が作られ始めました。急須専門の陶芸家や小さな窯元が多い地域です。

常滑地方には、朱泥、黒泥など急須向きの粒子が細かい粘土があります。常滑には急須のための高い成形技術や、「擦り合わせ」と呼ばれる急須の蓋と胴体を隙間なく合わせる技術など、急須作りの専門技術があります。注ぎ口や胴体と蓋の間から水が漏れづらい、精緻な作りの急須です。藻掛けや緋襷などの伝統的な技法があり、独創的な茶器が作られます。

 

京焼

場所:京都府京都市

分類:陶器、磁器

土質:粗いもの、細かいもの両方

釉薬:釉薬あり

焼成:薪窯、電気窯などさまざま

特徴:

京焼は、洗練された美意識に基づいて作られる陶磁器です。京都の優雅な文化を背景に、京焼は寺社仏閣、公家、商人の後援を得て発展しました。江戸時代(西暦1800年頃)以降、京都では茶道の流行を背景に、抹茶・煎茶向けの茶器が多く作られました。

粘土などの陶磁器原料は京都で産出せず、信楽や伊賀などの様々な産地の原料が使われます。決まった原料を使う必要がないため、京焼には陶器、磁器の両方があり、青磁、白磁、染付、金彩など多様な様式があります。京焼は中国陶磁器から影響を受けるなど、常に新しい要素を取り入れながら発展して来た、高い芸術性と都市的な感覚がある陶磁器です。

 

鍋島焼

場所:佐賀県伊万里市

分類:磁器

土質:細かい

釉薬:釉薬あり

焼成:ガス窯あるいは電気窯

特徴:

鍋島焼の特徴は、手描きの美しい模様です。鍋島焼は、日本で最初に生産された色絵磁器です。江戸時代(西暦1603-1867年)には大名諸侯のみが所有した、日本磁器の最高峰と言われています。鍋島焼の絵付けには、染付の青色と、上絵具の赤色、緑色、黄色の計4色のみ使うという決まりがあります。日本磁器は当初、中国や朝鮮から影響を受けていましたが、鍋島焼は次第にその影響を脱し、独自の絵柄が多く生み出されました。

鍋島焼の皿や鉢は多いですが、茶器はほとんど生産されていません。東山堂では鍋島虎仙窯と協力し、中国茶・台湾茶向けの急須を販売しています。伝統工芸士の絵付師が、絵柄を筆で手描きします。日本の伝統的な磁器と中国茶文化が融合した茶器です。

 

信楽焼

場所:滋賀県甲賀市信楽町

分類:陶器

土質:粗い

釉薬:釉薬なし

焼成:主に薪窯

特徴:

信楽焼の特徴は、天然の土と質感と、薪窯の焼成による豊かな表現です。信楽は古代に湖の底にあり、良質な粘土に恵まれています。粒子が粗い粘土、細かい粘土があり、東山堂で販売する茶器は、粒子が細かい粘土で作られます。

15世紀後半、茶道では日本製の陶器を茶道具として使われ始めました。信楽焼は、備前焼とともに、最も早く茶道具として使われた陶器です。17世紀以降は、将軍家や大名家へ献上する茶葉を入れる茶壺も、信楽で生産されました。

信楽焼はお茶と繋がりが深く、多くの茶人に愛された陶器です。茶道が盛んでった京都や大阪に近く、抹茶碗、宝瓶などの茶器が多く生産されました。熟練の職人によりろくろで成形され、薪窯で焼成される伝統的な茶器です。

 

赤津焼

場所:愛知県瀬戸市

分類:陶器

土質:細かい

釉薬:釉薬あり

焼成:電気窯あるいはガス窯

特徴:

赤津焼の特徴は、個性豊かな釉薬です。山間の小さな地区でありながら、多様な陶器を生み出す産地です。赤津焼の伝統的な釉薬は、灰釉、鉄釉、古瀬戸、黄瀬戸、志野、御深井(おふけ)、織部の7種です。この7種は日本の陶器に使われる主要な釉薬を網羅しています。

愛知県の瀬戸地方は、良質な白色粘土があるため、陶器作りに最適です。江戸時代(西暦1603年)以降、赤津地区では主に茶器が生産されました。現在も陶芸作家や小さな窯元が多く、伝統的な陶器づくりが盛んです。

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