京焼 青磁具輪玉急須ギフトパッケージ(朱漆箱)
京焼 青磁具輪玉急須ギフトパッケージ(朱漆箱)
青磁の灰色がかった青色と、丸みのあるフォルム、直線的な注ぎ口が特徴の急須です。中国式急須の定型の1つである、「具輪玉(ぐりんだま)」という形状です。中国茶・台湾茶を淹れるのに、ちょうど良い容量です。漆器と風呂敷を組み合わせたギフトパッケージです。
作り手の柴田恭久さんは、京焼の三代目澤村陶哉(さわむらとうさい)門下で、長年修行した人です。澤村家は大正時代から続く京焼の作家であり、京焼の伝統技法と美意識を継承しています。料亭や割烹など日本料理店で使われる食器を、主に制作します。
柴田さんも日本料理店で使われる、竹や笹などの形状の食器を得意とします。細かい細工の食器を作るには、高い造形技術が必要であり、最近はそうした手しごとは減りつつあります。柴田さんが作る器や急須はとても繊細で、造形技術の高さが良く分かります。
京焼では中国の陶磁器を写すことがあり、元々は急須など中国由来の煎茶器の制作が盛んです。柴田さんは京焼の煎茶器の伝統も継承し、上品で美しい急須を作ります。
(柴田 恭久氏 略歴)
1977年 京都に生まれる
2000年 三代目澤村陶哉門下で作陶を始める
2001年 京都府立陶工高等技術専門校 卒業
2012年 弟子として12年の修行後、京都花園にて開窯
2014年 京都西山へ移窯
2014年 京焼・清水焼「京都認定工芸士」
陶磁器の釉薬の色は、焼成時期の気候に影響を受けます。この急須は雨の多い6月に焼成され、灰色がかった青色になりました。急須が大気中の水分を取り込んだような、清涼感のある色合いです。
薪窯で焼成された磁器には、柔らかい雰囲気があります。薪窯焼成では、炎の流れが不規則で高温になります。そのため、釉薬表面に微細な変化が生まれ、光を乱反射することで柔らかい光沢を放ちます。
青磁や白磁を薪窯で焼成するには、豊富な経験と高い技術が求められるため、現代では電気やガスで焼成することが一般的です。しかし、薪窯にしか出せない、陶磁器の豊かな表情があります。美術館で見る、昔の器の柔らかい雰囲気を、この急須にも感じます。
薪窯は排気や熱の問題があり、京都市内など住宅が多い地域では、実質不可能になっています。そのため、澤村陶哉氏は滋賀県に築窯し、赤松を燃やして、器は焼成されます。柴田さんの急須も同じ窯で焼成されます。
この急須は、磁器と陶器の土を混ぜて作った半磁器です。両方の土を混ぜることで、陶器特有の温かみと、磁器の頑丈さを両立しています。内側にも釉薬が掛けられているので、茶葉の香りを吸収しづらいです。
烏龍茶、岩茶、花茶、紅茶など、香りの異なる様々なお茶を淹れるのに、最適な急須です。
急須を収める箱として、四代続く越前漆器の老舗である大音師漆器店へ、漆塗箱を特注しました。本漆を使い、越前漆器の伝統的な工程で作られた漆器です。1つずつ手作業で作るため、完成までに4か月かかります。
漆塗箱の表面は漆特有の柔らかい厚みと、控えめな艶があります。漆塗箱は急須を保管するだけでなく、工芸品として美しく、部屋を装飾するインテリアにもなります。風呂敷で包むことにより、さらに日本らしく、文化的な装いになります。
作り手: 柴田窯 (京都)
柴田窯Shibatagamaホームページ - shibatagama ページ! (jimdofree.com)
焼成: 薪窯
種類: 半磁器 (磁器と陶器の土を混ぜた陶磁器)
サイズ: 全長11.5cm(把手・口含む)、胴径7.5cm、高さ8.5cm
容量: 満水150ml 実用130ml
重さ: 約190g
備考: 手作りなので、一点ごとにわずかに違いがあります。
注ぎ口の穴が少ないため、急須を90度近くまで傾けると、蓋と本体の間から水が漏れやすいです。あまり角度を付けず、ゆっくりと注いでいただくことをお勧めします。
<漆塗箱>
作り手: 大音師漆器店 (越前漆器)
サイズ: 縦10.8cm 横10.8cm 高さ11.5cm
重さ: 230~260g
材料: 蓋 シナ合板 / 身 ヒバ材 / 塗料 天然漆
備考: 福井県で手作りしています。外側底面のみ黒塗で、他の面は全て朱塗です。
<風呂敷>
素材: 絹麻混紡 (イタリア製生地)
重さ: 約50g
備考: 風呂敷の色は、レッドかネイビーを選んでいただけます。
*京焼
京焼は、京都市で作られる陶磁器です。江戸時代(西暦1800年頃)以降、茶道の流行を背景に、抹茶・煎茶向けの茶器が多く作られました。京都の高い文化を背景に、寺社仏閣、公家、商人の後援を得て発展しました。
染付、赤絵、金彩など鮮やか色絵や、細かい細工の陶磁器を得意とします。様々な技法、様式を取り込んだ、美意識、造形技術の高い陶磁器です。
*越前漆器
越前漆器の起源は、約1500年前にさかのぼります。日本の第26代天皇であった継体天皇が天皇に即位する前、冠の修理を、越前の塗師(漆塗の職人)に命じました。塗師は冠を漆で修理するとともに、漆塗の椀を献上しました。そして漆器の生産を奨励され、現在の福井県鯖江市の片山集落で、漆器づくりが始められました。
越前には多くの漆の木があり、最盛期には全国の漆の半分を生産したと言われています。栃木県にある日光東照宮造営の際、徳川幕府は越前の漆かき職人へ、漆の採集を命じたそうです。
室町時代以降は、漆塗の椀が仏事で盛んに使われるようになりました。江戸末期には、京都から蒔絵師を招き、蒔絵の技術を導入しました。能登の輪島からは、沈金の技法を取り入れ、越前漆器は堅牢さに加え、装飾性も併せ持つようになりました。
明治時代の半ば以降、角物と呼ばれる膳や重箱も作られるようになりました。ざるそばに使われる四角い器や、寿司下駄も角物です。ちなみに椀は丸物と呼ばれます。四角い形状は漆塗の工程数が丸物に比べ多く、角に漆がたまりやすいやめ、漆表面を平滑に美しく仕上げることが難しいです。大音師漆器店は、四代続く角物専門の工房です。
低在庫:残り1個
詳細を表示するよくある質問
急須はどのお茶に使えますか?
どの種類のお茶にもお使いいただけます。ただし、釉薬が掛かっていない陶器は、茶葉の風味を吸収しやすいです。お茶の系統ごとに茶器を使い分けていただくと、お茶の風味を堪能できます。
例えば日本茶の場合、煎茶、深蒸し茶、玄米茶、玉露は同じ系統ですが、ほうじ茶は焙煎の香りが濃いため、別の茶器を使うことをおすすめします。
ただし、釉薬が掛けられた陶器あるいは磁器の茶器は、茶葉の風味を吸収しないため、様々な種類のお茶を淹れるのに適しています。
急須はどのように洗いますか?
急須は洗剤を使用せず、水洗いしてください。陶器の急須は洗剤成分を吸収しやすく、洗剤はお茶の風味に影響を与えることがあります。
急須に残った茶葉は、茶渋の最大の原因となります。お茶を淹れた後は、茶葉が冷めた時点で茶葉を取り出し、水洗いすることをおすすめします。
急須に残った水分はカビの原因となります。急須を裏返して乾かすと、乾燥が早くなります。
食洗器で洗浄することはおすすめできません。手洗いでお願いします。
急須の茶渋は取れますか?
茶渋を取る方法は次の通りです。
1. ボウルまたは鍋に、重曹24gを30~40℃の水1リットルと混ぜます。
※アルミ鍋やテフロン加工の鍋は、重曹と反応しますので、使用しないでください。
2. 急須を上記1の水の中に30〜60分間放置します。
3. 茶渋を柔らかいスポンジや綿棒で拭き取ります。硬いスポンジやブラシは使用しないでください。
4. 急須を水洗いします。
5. 急須をしっかり乾燥させます。
※重曹水は手が荒れる可能性があるので、ゴム手袋を使用ください。
返品はできますか?
荷物到着時に商品が破損している場合を除き、返品はお断りしています。
茶器は一点ずつ僅かに異なり、若干の歪みや擦れがある場合もございます。オンラインショップ掲載の画像を事前にご確認いただくようお願いします。
もし商品の詳しい状態についてご質問がある場合は、お気軽にお問合せください。商品の追加画像や動画を送ることができます。
海外発送していますか?
下記の国へ発送することが出来ます。
中国、香港、マカオ、台湾、韓国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン
商品は骨董品や中古品ですか?
当店の商品は全て新品です。日本国内の陶芸家や窯元が生産したものを販売します。